印刷や照明では、
色の違いを表現するだけでなく、ある
色がどんな
色かを正確に表現しなければならないことがある。そのための、
色に名前や番号をつける方式を(
絶対)
表色系という。
コンピュータの分野では、
色を記述するのに24ビットRGB方式などの方式を使っている。しかし、一般には、それらの方式はプリンタやモニタの動作(インクの量やビームの強さ)を指定しているだけで、その結果として表示される
色そのものは、実は何も特定していない。装置の仕様や調整が違えば、同じ指定でも違う
色が表示されてしまうからだ。つまり、
色そのものを上のような情報をベースにして表現したいなら、さらに、それを表示する装置の仕様や調整の指定を組み合わせて示さなければならない。
たとえば、ある写真のファイルがあって、その左上の隅の
色が24ビットRGB方式で[FF FF FF](つまりどれも最大)として記録されていたとする。この情報があれば、それぞれのモニタは写真の左上の隅に対してそれぞれの白を表示するだろう。でも、きっとそれらはどれも違う
色になるだろう。
そもそも、同じ機種のモニタは[FF FF FF]と言えばどれもある決まった同じ白を表示できるように調整してから出荷しなければならないが、その白を指定するのには[FF FF FF]だけでは役に立たない。
ウェブやビデオソフトでは、ある
色がほかの
色と比べて赤っぽいか鮮やかか暗いかだけが問題なので、別にこれでもかまわない。しかし、
色の違いで何かを検査したい場合や、同じ
色が表示できるようにプリンタやモニタを調整したいという場合には、
絶対的な
色の表し方が必要になる。
表
色系を定めるには以下の三つのものを定める必要がある。
・
色の違いを表すための特性の組み合わせ方(HSVやRGB/CMYKなどの)
・それらの特性の測り方
・いくつかの基準になる
色
これらの決め方の違いによって、以下のようないくつかの表色系が作られている。