資料シート●各科目
古代ローマの記数法と数字
椎名祐介
http://www.infonet.co.jp/apt/March/syllabus/bookshelf/Roman.html
ふだんの生活の中でも、時計の文字盤や本の巻数や章の番号などでよく目にするとても身近なローマ数字。
何気なく見ていたローマ数字にはどんな規則があり、どんな意味があるのだろうか。
ローマ数字
古代ローマでは、アルファベットの組合せで数を書き表わしていた(▽図)。
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
I |
II |
III |
IV |
V |
VI |
VII |
VIII |
IX |
X |
11 |
12 |
... |
XI |
XII |
... |
△図はローマ記数法による1〜12の数の表記である。先に述べたように、これらは現代でも時計や本の巻数などでもよく見かけることができる。
ここでは
の3種類の文字が使われている。もっと大きい数を表記する場合には、これらのほかにもいくつかの種類の文字が使われる。
ローマ記数では、▽図のような文字が基本的な数を表すための文字として使われている。
1 |
|
10 |
|
100 |
|
1000 |
|
5 |
|
50 |
|
500 |
|
I |
|
X |
|
C |
|
M |
|
V |
|
L |
|
D |
|
△図を見れば分かるように、ローマ記数法では、1と5およびそれらの10n倍の数が特別な数として扱われ、数字を割り当てられている。
ローマ記数法 - 原理
ローマ記数法では、原則として、大きい数の数字から書き始める。数字が大きい順に並んでいる限り、それらの数字が表す数の和が、その記数が全体として表す数の意味になる(▽図上)。
ただし例外として、4と9(基準の数字で表される数の一つ手前の数)だけは引き算的な考え方で書き表わす。
たとえば、
10 ・・・ X
20 ・・・ XX
30 ・・・ XXX
と並べてくると、次はつい
40 ・・・ XXXX
にしたくなるが、
40 ・・・ XL
= -10+50
と書き表わすのが正しい。このような書き方を減算式という。
減算式のために、ローマ記数では小さい数の数字が大きい数の数字よりも先にくることがある。このような場合には、大きい数字の数から小さい数字の数を引いた数(▽図)がそこに書かれているものとして読む。
VI ・・・ V+I = 5+1 = 6
IV ・・・ −I+V = −1+5 = 4
ローマ記数法 - 実際
実際に、数からローマ記数法の記数を作ってみよう。
もとの数 |
数を1, 10, 100, ...の各桁に分ける |
そのそれぞれの数にあてはまる数字の組み合わせを作る
4と9とその10n倍の数は減算式にする
|
それらをまとめて順に並べる |
求める記数 |
|
256 |
200 |
50 |
6 |
CC |
L |
VI |
CCLVI |
|
参考文献
・
ジョルジュ-イフラー
数字の歴史 人間は数をどのように数えてきたか
(日本語版:平凡社 1988-06)
たいへんいいレポートです。
特に、図の描き方がいいので、誰でも図を追っていけばローマ記数法の読み書きが間違いなく理解できると思います。
例がちゃんと作ってあるのも親切です。
それから、これはできればぐらいの話しだけど、最後の(桁数が大きい数の書き方の)説明の中に、減算式を使わないといけない場合の例がない(つけ足しになってる)けど、それがうまく含まれてたらなぁっていうのと、書き方の説明と読み方の説明とが分けてあったらもっといいかなと思いました。
次の単元でもいい学習をしてね。

△
古代のいろいろな記数法
([吉田]より)
参考文献
・
吉田洋一
零の発見
(岩波書店、39-11-27)
このページの記事は下記の科目を履修した学生(本文に記載・敬称略)が学習の一環として制作したものです
メディアテクノロジー論
数と数列
コンピュータ
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