講演資料


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フロア
 ポジティブプレッシャを整えることは重要だと思います。当社では技術展というものを行なっていますが、社内教育にいい効果を及ぼしています。
 内容は、社内点字、研究会(講演会)、役員懇談会などです。
 全社的な参加を得ていますが、盛り上げていくにはパワーが必要だと感じています。


フロア
 ここでの議論では、学生のシーズ(動機)があらかじめ確立していることが前提になっているようですが、そもそもそれはどうやって確立するのですか?

石原
 それもまた別の大学の機能かもしれません。ただ、感情としては人工的に動機を発生させることはしない方がいいと感じますが。
 幸いに、筆者の学生は芸術系の学生であることと、情報リテラシが学習の対象として魅力があることから、あえて発生させるまでもなく、ほとんどの学生がすでに動機づけられています。


フロア
 ホールはネガティブプレッシャを遮断するものだとしていますが、TPOが違うだけでポジティブプレッシャとネガティブプレッシャとは実は同じものとは考えられませんか?

石原
 今回の報告でネガティブプレッシャと呼んでいるのは、学習を持続させようとする働きかけが適切に行なわれなくて逆の効果を生じる無理強いのことではありません。ほんとうに学習を中止させようとする抑圧のことです。そのようなものがあるとは思えないかもしれませんが、実際にいろいろな場面で見かけます。
 芸術の分野、例として映像やまんがの学習は、家族に反対されることがよくあります。また、将来の生活や、作家として将来を切り開いていけるかという不安もあります。芸術の分野に限らなくても、社会人教育では学資や時間の確保の難しさから、また、社内教育では部署の中での無理解からネガティブプレッシャが生じることがあります。


フロア
 チャージはラジオに対してそれほど創造的かつ社会的ですか?ラジオもそうではありませんか?

石原
 第一に、チャージが創造的かつ社会的であるというのは、ラジオと対比して、ではなくて、ホールと対比してです。確かにラジオもそれなりに創造的で社会的だと思います。それは学校以外のシステムでも実現できるかもしれませんが。
 第二に、ラジオは教師と学生との関係を社会的にするかもしれませんが、学生と学生との関係を社会的にするかどうかは進め方によるのではないでしょうか。


フロア
 当社では情報処理技術者試験対策教育を行なっていますが、まさに学習への動機が維持できないという状態です。

石原
 自分の場合を思い出してみると、一種に合格するために、同じ教室の学生に教えてもらって勉強しました。このことによって、自分だけでなくほかの学生のためにも合格したいという気持ちが生じました。また、教室全体が祭りのように盛り上がっていました。ほかの学生も学習を維持していくのを援けてくれました。独学だったら自分だけで動機を維持していかなければならなくて、学習はもっと困難になっていたでしょう。

岩本
 動機が持続できないのは試験の内容が実は実際の業務に必要ないからなのではないでしょうか。適切な技術なら、まずそれを通常の業務に導入するべきです。そうすれば、合格すること以外にも動機が生じます。

フロア
 合格する=技能を身につけた、ではないこともあります。

フロア
 それなら合格する必要もないのでは?合格しても、それが優遇されるとか、その技能が生かされるとかといった社内のシステムが欠けているのなら、それがまず問題だと思います。



このページの内容は、SEA新春フォーラム[モバイル時代のサイバーラーニング:新しい時代の教育を模索して]でのパネル講演に対するフロアとの討論の一部をもとに作成したものです

フロアからの発言は氏名を伺わなかった方もおられるので揃えて明記しませんでした。パネリストからの発言は敬称を略して明記させていただきました。

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