テープレコーダを使うと
オーディオをテープに記録することができる。また、ラジオでは
電波を使って
オーディオを放送する。つまり、これらは音のグラフの形を何かの方法で記録したり放送したりできるようにしている。
レコードでは、音のグラフをそのまま溝の表面に刻んで録音する(資料
[レコード])。テープレコーダでは、音のグラフを磁気の強弱にして録音している。どちらの方式も、グラフの形をそのまま記録している。
放送やコンピュータでは、グラフの形をそのまま記録/転送するのではなく、それを表現するもっと細かい波を作り、それを記録/転送し、あとでそこからもとの波を読み戻すという手順を踏んでいる(▽図)。これらの場合では、変化していく値の大小(音のグラフの上下)を、いろんな形の波の
符号を順に並べたものとして表現している。こうして作られた波を
信号という。信号は、磁気の分布や電圧の大小として、
電波として通信したり、磁気テープなどに記録したりすることができる。
電波を使った放送の場合を例にして説明する。まず、もとの音の波よりもずっと振動数が大きくて、振幅が一定の波を材料として準備しておく。これを
搬送波という。AM放送では、振動数が0.1〜1.5MHzの
中波とよばれる波を使う。そして、音が押している時刻では搬送波の振幅を拡げ、引いている時刻では振幅を縮める。こうしてできた波を放送し、受け取った側では逆の操作をしてもとの音を再現する。
A
違います。
ミュージックカセットでは、音の振動を
そのまま磁気の強弱に対応させて記録しているけど、AMでは、
もっと細かい波(これが搬送波)で、幅の大小がもとの音の振動に対応して変化するものを作ります。だから、全体の形は似ているけど、もとの音のグラフよりもずっと細かい波ができます。これを
電波にして流したりします。
劇場用のフィルムに録画されている映画では、音を、太くなったり細くなったりする太線の像として記録しています。ここでは太さの変化が振動に対応しています。これもミュージックカセットの方式に似ています。