資料シート●各科目

AM

http://www.infonet.co.jp/apt/March/syllabus/bookshelf/AM.html



展開形
amplitude
modulation
振幅による波形化

 時間や空間によって変化する量(音など)を、記録/転送するために、電波などの変化に置き換えるための変復調方式の一つ。変化する量をとても細かい波の振幅の変化によって表現する。中波でのラジオ放送や、TV放送のビデオ部分(正確にはVSBという特殊な方式)に使われている。




 テープレコーダを使うとオーディオをテープに記録することができる。また、ラジオでは電波を使ってオーディオを放送する。つまり、これらは音のグラフの形を何かの方法で記録したり放送したりできるようにしている。
 レコードでは、音のグラフをそのまま溝の表面に刻んで録音する(資料[レコード])。テープレコーダでは、音のグラフを磁気の強弱にして録音している。どちらの方式も、グラフの形をそのまま記録している。
 放送やコンピュータでは、グラフの形をそのまま記録/転送するのではなく、それを表現するもっと細かい波を作り、それを記録/転送し、あとでそこからもとの波を読み戻すという手順を踏んでいる(▽図)。これらの場合では、変化していく値の大小(音のグラフの上下)を、いろんな形の波の符号を順に並べたものとして表現している。こうして作られた波を信号という。信号は、磁気の分布や電圧の大小として、電波として通信したり、磁気テープなどに記録したりすることができる。

 電波を使った放送の場合を例にして説明する。まず、もとの音の波よりもずっと振動数が大きくて、振幅が一定の波を材料として準備しておく。これを搬送波という。AM放送では、振動数が0.1〜1.5MHzの中波とよばれる波を使う。そして、音が押している時刻では搬送波の振幅を拡げ、引いている時刻では振幅を縮める。こうしてできた波を放送し、受け取った側では逆の操作をしてもとの音を再現する。


(a) (b)


(c)

もとの変化(a)と、それを搬送波(b)にあてはめて作った(c、上から順に)AM波、FM波、PCM
([星野71]より)

 AMでは、もとの値の大小の変化(a)を振幅の大小に置き換えることで表現する。そのため波の帯の厚みが変化しているように見える(c、上端)。



(左から順に)AM/FM/PCMで使われている符号





Q  ミュージックカセットでは、音の振動を磁気の強弱で記録しているそうだけど、これがAMなの?
(98-11)

A  違います
 ミュージックカセットでは、音の振動をそのまま磁気の強弱に対応させて記録しているけど、AMでは、もっと細かい波(これが搬送波)で、幅の大小がもとの音の振動に対応して変化するものを作ります。だから、全体の形は似ているけど、もとの音のグラフよりもずっと細かい波ができます。これを電波にして流したりします。
 劇場用のフィルムに録画されている映画では、音を、太くなったり細くなったりする太線の像として記録しています。ここでは太さの変化が振動に対応しています。これもミュージックカセットの方式に似ています。


Q  AMってラジオのAM放送と同じなの?
(98-11)

A  うるさく言うと違います
 AM放送は、音を表現するのに使う形式がAMなのでこのように呼ばれていますが、そのほかにもいろんな決まりがあります。特に、搬送波として中波という種類の波を使うことになっている点が重要です。



参考にした資料

星野芳郎
技術の体系 II (岩波講座基礎工学9-II)
(岩波書店、71-11-26)



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