論文
芸術系大学における基礎専門教育としてのハイパーカード制作
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0. 緒言
美術・デザイン・映像などの芸術の分野では、コンピュータを中核とする情報処理技術の浸透が著しい。情景の合成や画像処理、製図などすでに応用が定着した分野も多い。これは、コンピュータが単に作業の能率を上げるためだけのものではなく、芸術における発想と表現を質的に高めるものとして評価されているためである。
京都芸術短期大学および併設校の京都造形芸術大学では、このようなコンピュータと芸術との関係に早くから注目して、すでに 1 9 8 5年から情報処理教育に取り組んできた。特に基礎教育における情報処理教育は年を追って充実している (表 0 0 )。映像専攻課程における専門共通基礎実習としての教育 (文献 0 0 )、京都造形芸術大学における専門共通基礎科目[コンピュータ演習] (文献 0 1・ 0 2 )、従来の一般教育に代わる学際科目[情報化社会]における情報処理教育 (文献 0 0 )はその例である。
さらに、より高学年の学生を対象とした専門教育においても、コンピュータアニメーション (文献 0 3 )、コンピュータによるエディトリアルデザイン、環境デザインにおけるシミュレーションなど、個々の専門に特有の目的に即した情報処理教育が行なわれている。
情報処理教育で取り扱われる題材は情報処理の対象と手法の多様さを反映してさまざまである。したがって、情報処理教育では、カリキュラムの全体における位置づけに基づいて、いくつかの題材を選択して実習の課題を設定することになる。取捨選択については、いろいろな方針が考えられる。通常は、描画・作文・表計算あるいはプログラミングなどが題材として採り上げられる場合が多い。本研究は、芸術教育にとって効果的な題材の一つとしてハイパテキストを強調しようとするものである。そのために、最初に芸術教育の基礎としての情報処理教育の意義について明らかにした上で、ハイパテキスト実習がもたらすと期待される効果および問題点について論じる。続いて京都芸術短期大学と京都造形芸術大学における実践について報告する。
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