論文

芸術系大学における基礎専門教育としてのハイパーカード制作





1. ハイパテキスト

 ハイパテキストとして知られている情報の形式について要約する。
 ハイパテキストは[Nelson、04]らの研究によって確立した情報の形式に関する新しい概念である。
 一つのハイパテキストは、何件かのレコードから構成されている。それぞれのレコードは、単独に意味をもつ情報の単位であり、グラフィックス、ボタン、テキストなどを縦横に配置したものである。レコード相互の間には向きづけされたリンクが張られている。これにより、ハイパテキスト全体は、カードをノードとする有向グラフの構造を持つ。そして、グラフのアークを辿るように閲覧することによって、読者の興味や目的によって異なった読み方が可能になる。「ハイパテキスト」という名称は、この特性において、単純なテキストに秀でていることを示している。
 [HyperCard]は、ほとんど唯一標準的に利用されているポピュラなハイパテキスト管理システムである。以下の報告にも教具として登場する主要なソフトウェアの一つでもあるので、[HyperCard]の機能と用語についても少し触れておく。
 [HyperCard]では、ハイパテキストのことを「スタック」、レコードのことを「カード」と呼んでいる(以下でもこの用語を用いる)。各カードは一つのウィンドーに一度に表示できる単位でもある。カードを閲覧する場合は、スタックに入っている順にめくって見ることもできるが、さらに、カード上に配置されたボタンにカーソルを乗せてクリックすることにより、ボタンに対応してあらかじめ指定されている関連カードに表示を切り替えてすばやく参照できる点に特徴がある。この機能は、カード間のリンクを各ボタンに対応づけることによって利用できる (以上は文献 0 7による )。



注釈

このページはインフォネットのウェブサーバに載せていただいて発信しています


Copyleft(C) 1996, by Studio-ID(ISIHARA WATARU). All rights reserved.
このページに自由にリンクを張ってください

このページへの助言や感想や新しい情報を歓迎します
下記まで連絡をいただければ幸いです
isihara@mbox.kyoto-inet.or.jp

最新更新
96-08-12