講演資料


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 この節では、情報ネットワークを活用して実際に進められているいくつかの教育への試みを紹介します。
 今回は、ウェブの技術をベースにして実現しているものばかり挙げることになりました。しかし、情報ネットワークを通じて学校の機能を強化する手法は、現実にも、電子メールやニューズグループを含むそのほかの技術の上にも構築できるはずです。将来においては、未知の技術がさらに登場するかもしれません。


02.00 ウェブから学校を目ざすアプローチ

 [大学]を名称に掲げ、デザインのメタファとしているウェブがいくつか作られています。
 その一つの例として[ぴあ大学]を紹介します。ここはまだ[工事中]の看板を出していますが、現状でも内容はかなり充実しています(97-01-14)。内容は映画、演劇、出版などについて情報を提供するものです。
 ただ、大学メタファとしているのは、大学が多くの学部やサークルを備えていて、多様な内容を提供するのに整理して示せることから引用しているだけで、そのような看板を掲げていない他の同様なウェブとそれほどの違いは感じられません。


(クリッカブルサムネール)


 [ウェブゼミナール]は母体は大学ではありませんが、より大学らしさを感じられる試みになっています。
 [ウェブゼミナール]ウェブの制作に関する情報を集めたウェブで、ウェブを中心に情報ネットワークの利用と制作について学ぶことができます。  このウェブは、講義を提供するボランティアの講師の組合いとして構成されています。これはまさに、講師が自宅に学生を呼び集めて講義を行なっていた近世から近代にかけてのヨーロッパの大学に似ています。さらに、質問掲示板も備えています。掲載されている情報について質問があるユーザは掲示板にそれを掲示します。すると、講師やほかの学生がそれを見てアドバイスを書いてくれます。この仕組みによって学生はたがいに質問やそれに対する回答を共有することができます。


(クリッカブルサムネール)


02.01 学校からウェブを目ざすアプローチ

 多くの科目が、レジュメやシラバスをウェブとして提供するようになってきています。そのうちから、今回の発表と関係が深いものをいくつか紹介します。

 立花隆さんは東京大学で[応用倫理学 人間の現在]という科目を開講しておられますが、そのシラバスや講義録をウェブになっています。
 このウェブで特におもしろいのは、講義録が、受講生によって競作されていることです。ですから、同じ講時に対して複数の講義録が掲載されています。このことによって、読者は、複数のおそらく内容やその軽重に違いがある記事を読み比べて、主体的に知識を組み立てていくことを要求されることになります。もちろん、ウェブに掲載するために講義録をまとめる学生は、自分も科目の構成に深くかかわっているという意識をもつことになります。


(クリッカブルサムネール)


 シラキューズ大学のコンピュータグラフィックスコースでは、Bonnie Mitchellさんが[VRと芸術]という科目を開講しておられます。この科目もシラバスと講義録(?)がウェブになっています。
 Mitchellさんの科目は、学生たちによるディベートの形式で進められているようです。したがって、先に講義録と言いましたが、正しくはディベートに参加する学生が準備したプロシーディングがここには掲載されています。


(クリッカブルサムネール)


 おたく文化の著作で有名なオタキング=岡田斗司夫さんはおたく的手法にもとづいて現代文化を論じる[オタク文化論]という科目を東京大学で開講しておられます。この講義録もウェブになっています。
 岡田さんはほかにも国際おたく大学というウェブを主催しておられますが、ここには、[オタク文化論]の講義に関連のあるたくさんの資料が収録されています。たとえば、岡田さん自身の著作である[オタク学入門]やその続編の[東大オタク学講座]などは、完全な内容がここに収録されています。そのほかの、調査のためのソースへのリンクも非常に充実しています。おたくの手段は基本的にフィールドワークであると主張される岡田さんの理念がよく生かされています。


(クリッカブルサムネール)


 The Virtual Classroom on the Net Programは、AT&Tジェンズほかが協賛するプロジェクトです。このプロジェクトでは、世界のさまざまな小中学校をネットワークの上に実現した教室で結びつけ、時間も空間も超えた新しい教育を実現することを目指しています。BR>  大賞作品の[Web Oddysey]ほかが展示されています。





モノグラフ
著者の成果


 教科書を超える機能についてはまだ着手していませんが、自分のシラバスも紹介しておきます。
 [コンピュータ演習]として掲載されているのは、96年度に京都造形芸術大学で実際にシラバスとして使用したものです。[コンピュータ演習]は一般教育科目ですが、12単元から成り立っている演習科目なので、内容の中心は実習の進め方の解説です。実習室に特有の教具の操作の解説も含まれています。
 また、[ネットワーク論]も同じく96年度にシラバスとして使用したものです。ただし、[ネットワーク論]は講義の形式の科目なので、実習の進め方の代わりに講義の内容または資料へのポインタを中心に編集しています。
 [情報論]として掲載されているのは、97年度から京都芸術短期大学の一般教育科目として新たに開講される予定の科目のシラバスとして準備しているものです。見ていただくとすぐ分りますが、このシラバスの一部は[コンピュータ演習][ネットワーク論]のシラバスと共用になっています。





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