資料シート●各科目

ビットとビット列

http://www.infonet.co.jp/apt/March/syllabus/bookshelf/bit.html




ビット


 情報を記録/通信するには、それを媒体(media。DVDものろしも媒体だ)の特性に合せた形式に変換しなければならない。この形式の基礎になるのが符号(code)だ。
 符号をなるべく使いやすくするために、現代の技術では、たった2種類だけの文字(というか要素)を決めて、それを何個か組み合せることによっていくつもの符号を作るようにしている。基本の要素が2種類しかなければ、符号電子的(または機械的)に正確に記録/転送できるからだ。文字が2種類しかなくても、その並べ方は無限にあるから、うまく使えばいろいろなことがらを分かりやすく表現することができる。この2種類の文字をビット(bit。▽図)という。

×
0 1

ビット

 ビットはもともと目で見るための文字ではないので、紙などに書いて見せる場合にどう書くかは決まっていない。また、何と何をビットとして使うかは、記録/通信に使う媒体の特性によっても変る。DVCテープやFDでは磁場の強弱で表現されているし、少し前までは紙テープやカードに開けられた穴のあるなしで表現されていたこともある。
 この資料ではビットを×/○で表わすことにする。

 ふつうは、ビットを表わすのには0/1を使う。でも、これでは数と区別がつかないし、数とビットとは関係ないことをはっきりさせておきたいので、ここではそうしないで代わりに×/○を使う。


ビット列


 ビットをある決まった個数だけ並べたものをビット列という。そして、その長さを桁数という。
 ビットそのものは1個だけなら2種類しかないが、2桁のビット列は4種類、4桁のビット列なら16種類ある(▽図+資料[n桁の長さのビット列は2n種類ある])。



 このように、桁数が大きくなるほど、ビット列の種類も増えていく。したがって、十分な長さのビット列を符号として使えば、その並び方の違いによって、数や文字などのいろんなものを区別して表現することができる。
 メディアを表現するのには、8桁のビット列と16桁のビット列がよく使われる。8桁のビット列は全部で256(=2^8)種類、16桁のビット列は65536(=2^16)種類ある。
 ビット列の符号は、モールス符号などのほかの符号とは違って、いろんな長さのものを混ぜて使うことはない。つまり、必要に応じて勝手にビット列の桁数を増やしたり減らしたりすることはできない。コンピュータなどの情報システムは、そこに置いたり通って行かせたりしたいビット列の桁数に合わせてできているからだ。つまり、ビット列の符号(または名前)を割り振ることができる数には、(ビット列を長くすることによって増やせるけれど)いつも上限がある。このことは、ビット列を足し合わせる(資料[ビット列の和])場合などには注意しなければならない。
 ビット列は、原則として、そのまま右から左に向かって棒読みにするが、もっとまとまりのいい16進形式という読み/書き方もある(資料[16進形式])。

 8桁のビット列(またはそれによって生じる媒体の負荷の大きさ)のことをバイトと呼ぶことがあるが、こうした意味で使うのは間違いなので、よした方がいい(資料[バイト])。


2進符号系


 ビット列は×/○の2種類の文字だけで構成できるので、情報を記録/転送するのに向いている。そのため、情報を表現するための符号にはビット列が使われている。
 たとえば、フロッピに記録されている文章のファイルには、文字の代わりに、それぞれの文字に割り当てられているビット列の符号が、列になって書きこまれている。また、衛星放送では、オーディオやビデオを一連の数に分解したものを、さらにビット列の符号で表現し直して、それらを電波に乗せて流している。
 文字や数などに符号として割り当てられているビット列を2進符号(binary code)という。数(正確には自然な整数)に対する2進符号の割り当て方は自然に決めればいいが、文字やそのほかの形式の情報への符号の割り当て方は規約で規定する必要がある。たとえば、文字に対する2進符号の割り当て方については、ISO符号系JIS1単位符号系シフトJISユニコードなどの規約が定められている。

 いろいろな情報を区別するための符号としてビット列を使うという考え方はそんなに新しいものではない。どんなことがらでも分類を繰り返すことによって区別できるようになるし、その分類に基づいて名前がつけられる(たとえば学籍番号だってそうして決められている)からだ。
 たとえば、周の時代にまとめられた[易経]では、世界の状態(象=しょうと呼ばれている)を64種類に分類し、それらに陰/陽(▽図)の2種類の記号を六つ並べて作った符号(卦=けと呼ばれている)を割り当てている。陰/陽の代わりに×/○を使うことにすれば、これは6桁のビット列を符号に使っていることにほかならない。


デジット


 "0"〜"9"の10種類の数字をビットに対してデジット(=digit)という("-"やピリオド="."を追加する場合もある)。ビット列でキャラクタや数量に符号をつけることができるように、デジット列も情報に符号を振るのに使うことができる。日常の生活ではいろんなものに番号をつけているが、これは、実はデジットによる符号を振ることに当たる。
 ビットはデジットよりも区別しなければならない要素の種類が少ない。したがって、符号を組み立てている要素の種類を判別する個々の機構はより単純にできる。
 ただし、同じ個数の種類を確保するために必要になる符号の長さはどうしてもビット列の方が長くなってしまう。つまり、要素の種類を判別するために必要になるしかけの個数は(延べで数えて)ビット列の場合の方が多くなる。



00 強弱
01 和
01.00 いくつかのふしぎな和
02 補列

ビット列の表 ( 4ビット長 | 16ビット長)


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最新更新
03-10-06